女郎花
気がつけば 思ったより とても
疲れ果てて 子供よりも
眠りこけ
目が覚めて ひとり 重たい 飲み物を
ぶら下げる帰り道
すべり込むように
いや
覆いかぶさるように
恋しい
人の ぬくもり
皮膚や 肉 髪の毛 声
信号を待つ僕は
明日の仕事に備えて
たくさんの飲み物を
ぶら下げて
狭くて 目まぐるしい 東京
大好きで 逃げ出したい
抱いておくれ
それが叶わないならせめて
顔に
触れておくれ
寂しい
長い 深呼吸
暖かくて
意味の無い部屋に帰ると
起きたばかりなのに
もう眠りたくなる
寂しい
長い 深呼吸
せめて
顔に 触れておくれ