恐怖症
床に
座る
物音は 心を乱す
音楽を 日がな一日垂れ流し
筋力
心の筋力は
床に吸い込まれるように
摩耗した
やっと 終わり 1日が
あっという間で
少しずつ
淡々と
鈍麻して 失う
しかしそれは
歳を重ねること の
利点でもある
けれど しんしんと
さみしい
じりじり焦げるような
狂おしく待ちきれないような
しびれは 日々
失われる
羽虫の美しさは 失われ
樹木の叡智と 引き換えに
可能性の有限と
落ち着きを手に入れる
失うもの 得るもの
生きることは
変わり続け
削られた石は
鈍く光り 佇む
穏やかな 憂いと
忘れかけた 発熱