This is (not) my riot
それがしたい
というよりは
それだけがあった
楽器は転がってた
いくつも
学校に行けなくなった中学の時
深夜のラジオで
ziggy stardustていう
デヴッド・ボウイの
コンセプト・アルバムをフルで聴いて
CDを見に行った
アルバムを聴いた
プラスティックな声と
よく分からない 軽い 猥雑なサウンド
痩せこけた美しい男が
メイクをして ステージに立つ
当時流行っていた「ヴィジュアル系」とも違う
古典的なロックンロールに
肉体的なメイク
猥雑なバンド
家のギターを
よくやり方も知らずに
左利き用に弦を張り替えた
全然ロックンロールじゃなかった
ふたつしかコードを弾けなかった
中三の冬
内緒でバイトして
市内に一つだけの楽器屋に頼んで
メキシコ製のフェンダー
ストラトキャスターを買う
親父のベースアンプに
無理やりシールド差し込んで
ミック・ロンソンになってた
全然ロックンロールじゃなかった
高校に入りすぐに
学校をドロップアウトした先輩達と付き合い
バイト代で中古の機材を譲ってもらい
初めて
ディストーションをかけて
ギターを弾いた
あの時から
何も変わらずに
今でもあるのは
胸の中のもやもやとグチョグチョ
精神科の薬
そして
音楽も、ギターも
メキシコ製のストラトキャスターは
随分昔に叩き壊してしまった
moonage daydream を聴きながら
14歳の時と同じく
moonage daydream
ミック・ロンソンのギターが
空気に溶ける
freak out