no god
神なんていない
聞こえない音に怯えながら
理由のない焦燥と不安と戦いながら
毎週注射を打ちながら
懸命に生きている小さなあの子
何も悪くないのに
ある日突然文字が浮き出したあの子
本を読めなくなったあの子
薬で耐えてアカシジアになった体
いつまでも綺麗な心
あのこの命に
有効期限がついた
まだ30歳にもなっていない
神なんていない
もっと
たれ流されている命だってあるのに
どうして
病気を握りしめ生きている小さな人が
あと少ししか生きられない
そんな世界は 何様だ
約束なんて 果たされない
そして僕もまた 無力で
資格も失ったのかもしれないし
正直 逃げ出したい
目の前であの子に死が訪れたら
僕の精神は危険だ
向き合えない
なかっことにしたい
僕もまた 悪しきものだ
あの子はただ生きてる
聞こえない音に罵倒されても
笑っている
なぜそこに
死に至る病をぶつけるのか
神なんていない
ほら やっぱり
この世はクソだ
ドラマの中のことだと思ってた
この世はクソだ
病気を殺してやりたい
それで裁かれるとしても
喜んでやる