眠り
彼女にふられ、クリニックの受診から帰ると、虚無感と憂鬱さから、たまらなくアルコールが欲しくて、おそらく退院後一番危険な状態になった。
一時間半くらい、呼吸すらもつらく、座っていてもなにも手につかず、心の中が嵐のようで、気が狂いそうだった。
退院するまで、彼女に会えることを一番の支えに治療してきて、それがもう叶わないとわかった時、これから何のために治療していけばいいのか、完全にどうでもいい気持ちになった。
タバコを吸い続け呼吸し続け、どうしても苦しくて頓服の抗不安薬を飲んだら、幸運なことに眠気が来たので少し寝た。
目が覚めて今日初めての食事をし、なんとなくテレビを眺めていたら、彼女を失った悲しさが雪のように確実に心に蓄積していく。
明日目が覚めても、おはようのLINEを送る相手はいない、これからそれは許されない。
退院して1週間。
様々なものを失ったことを感じさせられる日々。
ただ一つ、酒を飲まないことは守れた。
今日はそれを少し拡大して捉えて、自分を許そうと思う。
きっと明日からはまた罪悪感に苛まれて生きていく。そういうものを受け入れなくてはいけない、自分の体を壊したのだから。
ただ、いくつもの喪失のトドメの彼女の喪失は、本当に絶望をもたらした。
今日だけは自分を可哀想と勝手に思って眠らせようと思う。
最後に
今までたくさんの希望と、高揚と、穏やかな時間、絶望、嫉妬、数え切れないほどの愛情をありがとう。
あなたと過ごせて幸せな時間だったよ、さようなら。
願わくば次は心身共に健康的な人と付き合えるよう、願っています。
ありがとう。
大好きな彼女へ。